お幸せに!! | malle店主の話

お幸せに!!

この私が友人との待ち合わせ場所に15分も早く

到着したのは奇跡に近い。


休みをもらった4月19日。

旧友の結婚式のため横浜の友人と静岡へ帰省した。


13時に式が始まるため

遅刻常習の我々は10時15分に新横浜の

新幹線改札前で待ち合わせしていた。

10時45分頃の新幹線に乗れば静岡には

12時には着く。予定通りにいけば

遅刻するわけがない。


10時に新横に到着していた私は

タバコを吸える場所を探した。

余裕である。

しかし何処を見回しても喫煙所らしき場所はない。

近くの広場にも灰皿はなかった。

この余裕を満喫するためにも

どーしてもタバコを吸いたい。

広場のゴミ拾いをしているオバちゃんに

喫煙場所を聞いてみる。

オバちゃん曰く喫煙所はないとのことだ。

「そこで吸っていいよ。吸殻は私らが拾うから」

オバちゃんに甘えさせてもらい1本吸わせてもらった。

ありがとうオバちゃん。

噂には聞いていたが横浜は喫煙者に厳しい街だ。


タバコを消した。時間である。10時15分。

改札前で横浜の友人と見事に合流。

順調である。普通の人なら当然なのだろうが・・・。


横浜の友人に会うのは5年ぶりなのだが

ゆっくり語らうのは何年ぶりだろうか?


新幹線の時間にはまだ30分も時間がある。

やはり余裕だ。

当然1服しに二人で繰り出す。


10時半になりそそくさと新幹線のホームに向かう。

まだまだ余裕である。あと15分。


我々は迷う事なく喫煙席車両前ベンチに腰掛け話しだす。

新幹線は未だに喫煙車両が存在するから素敵なのだ。

10時45分頃新幹線に乗り込む。

完璧すぎる。あとは新幹線が勝手に静岡へ運んでくれる。



小田原手前辺りだろうか。車掌さんが恒例の切符拝見。

とっとと切符を手渡す。


車掌    「あの~・・・・」


店主    「何か?」


車掌    「静岡止まりませんよ」


店主    「は?!うそぉ??」


車掌    「これ名古屋まで止まりませんので今からですと

        名古屋から折り返して静岡まで戻ることになります」


店主    「え~?静岡に何時に着きますかね?」


車掌    「13時30分ごろです」


私はすぐに静岡で待ち合わせている友人にメールを出した。

やっぱり遅刻だ。


二人して時間に囚われこだま、ひかり、のぞみってそんなに

気にしていなかった。車掌さんが来るまで気にもとめなかった。


ひかりものぞみも止まるんだ・・・・。新横を侮っていた。


12時。無情にも静岡を通過。

のぞみってすげ~。あ~あ何でのぞみなんかに乗ってしまったんだろう。

喫煙車両を確認する前に新幹線を確認するべきではないか。


開き直りがもっとうの我々はジタバタしてもしょうがないので、

何事も無かったように名古屋までの道のりを楽しむことにした。

天気が良かったのもあり浜名湖の景色が眩しく綺麗だった。

何より遅刻したことよりも名古屋往復の追加料金を心配していた。

我々はやはりダメ人間である。


もう何時か忘れたけど名古屋到着。

小腹も空いてきた。ホームには立ち食いのきし麺やがある。

せっかくなので食べようかと思ったが

結婚式の料理が待っているたね断念。


折り返しの東京行きのこだまに無事乗車。今度は間違いない。

くどいようだが喫煙車両である。


13時間際に私の携帯が鳴った。

今日の主役からの電話だ。


主役   「どこ?」


店主   「名古屋」


主役   「はぁ?」


一通り説明する。


主役   「馬鹿じゃないの!あんたららしいけど」


理由はどうあれ遅刻するのは我々らしい。

さすが付き合いが長いだけによくわかっていらっしゃる。


新郎新婦入場前というもっとも緊張する最中

こんな馬鹿者共のために電話をよこす主役に

我々が泣いて詫びたのは言うまでもない。うそ。


13時半。ある意味予定通り静岡に到着。

駅から歩いてすぐの式場。

走るというワードは我々にはない。


涼しい顔で式場入り。係りの方に案内され広間へ。


係りの方  「遠くからいらしたんですか。静岡で迷われましたか?」


痛い質問を適当に誤魔化し乾杯の終わった広間の空席へ。


よかった。歓談中だ。それほど目立つこともなく溶け込むことができる。


テーブルについた我々を暖かく迎えてくれた友人達。

新郎新婦席から目配せしてくれる主役。


結婚式の宴が始まった。


おめでとう!!主役!!

久しぶり!!旧友達!!


今回結婚式の余興要員ではなかったのだが

体を張った余興ということで返って良かったのではないかと

物凄くポジティブに考えている。


帰ってカミさんに一連を報告した。

良い土産話ではないか。


カミさん  「ごめん、笑えない。むしろ引く」


横浜なみに厳しい。